現実逃避と懐古趣味

趣味全般取り扱います。競馬(現実逃避)とコレクション(懐古趣味)が多いと思います。

およそ2,000枚の硬貨の中から特年を探してみた話

まさか、前回の更新時(2020年4月29日)よりコロナ禍が深刻化しているとは1年前には思いもしませんでしたが、私は何とか元気です。

 

そんなコロナ禍で徐々に進んでいる印象のあるキャッシュレス化。

不特定多数の人が触るお金よりも自分しか触らないスマートフォンやカード等で会計をする方が清潔で有り、安全だと考えるのは分かりますし、その通りだと思います。

 

とは言え、通貨の信用度が高く、電子マネーが乱立し、かえって使いにくい状況の日本でキャッシュレス決済が当たり前になるような世界は、私が生きている間には訪れないだろうと高を括っておりました。

 

所が先日、ゆうちょ銀行が来年(2022年)の1月17日より硬貨の入金を有料化すると発表があり、私の中で激震が走りました。

今までゆうちょ銀行は、硬貨の入金手数料を取らず何枚預け入れようが無料で快く対応してくれる(私の知る限り)唯一の金融機関でした。

 

ですが、それも今年限り。

来年からは窓口で硬貨入金する際は、51枚以上で550円。101枚以上で825円。501枚以上で1,100円(1,001枚以上からは500枚毎に550円加算)。

と、決して安くない手数料が取られてしまいます。

 

「だったら、ATMで入金するか」と思う方もいるかと思いますが、

ATMでは1枚から110円の手数料がかかります。

なので、1円を入金する度に口座残高が109円減っていくという面白い現象が発生します(ちなみに、硬貨の出金でも1枚から110円の手数料が発生します)。

 

他にも数多くの変更点がありますので、一度ゆうちょ銀行のホームページや変更点を詳しく解説しているサイト等を確認した方が良いかと思います。

今まで通りの感覚で使うと思わぬ出費になったりしますので(2022年1月17日に全国のゆうちょ銀行で何件のクレームが発生するのか非常に気になる所です)。

 

一応、リンクを張っておきます。

www.jp-bank.japanpost.jp

 

こんな感じに、かなり強引にキャッシュレス化へと舵を切って来たゆうちょ銀行ですが、これが今後のスタンダードになれば、硬貨(特に1円玉や5円玉)は負の資産へと変貌していく未来もそう遠くないかも知れません。

 

 

また、この硬貨入金手数料有料化で私の趣味の一つがほぼほぼ潰える事となりました。

それが硬貨の特年探しです。

 

最近はあまりやっていませんでしたが、お釣りで受け取った硬貨を溜めて、ある程度溜まったらその中から特年を探すという、人によっては苦行とも取れる趣味が私にはありました。

 

当たり前のように特年と言っていますが、特年を知らない人のために簡単に解説します。

特年とは一言で言えば、「発行枚数が少ないレアな硬貨」の事です。

 

日本ではほぼ毎年硬貨を発行していますが、その発行枚数は一定ではなく、市場の動向により発行枚数は増減します。

 

分かりやすい所で言うと、平成元年(1989年)の1円玉はおよそ23億枚と昭和63年(1988年)のおよそ13億枚と比較して10億枚ほど多く発行しています。

この1年間で何があったかというと、消費税の導入です。

日本では1989年に今までの物品税から消費税へと変更され、導入当時の消費税率は3%でした。

その影響で、1円玉の需要が増し発行枚数が大幅に増えたのです。

 

逆に近年1円玉の発行枚数は平成28年(2016円)がおよそ57万枚、平成30年(2018年)がおよそ44万枚、令和2年(2020年)が52万枚などと平成初期とは比べ物にならないくらい激減しています。

これはおそらくキャッシュレス化の影響です。

 

このように硬貨の発行枚数はその年により大きく変わり、発行枚数の少ない年を「特年」、発行枚数が多いもしくは例年通りの年を「並年」と区別しています。

 

そして特年のコインはレア度が高いため、額面以上の金額で取引される事もよくあります。

有名な所では、昭和61年(後期)の10円玉や昭和32年の5円玉などです。

昭和61年(後期)の10円玉はヤフオクで30,000円前後

昭和32年の5円玉は500円前後

と額面より大幅に高くなっています(価格は状態により大きく変わります)。

 

そんなわけで特年探しは無料で出来る宝探しのような物なのです(それも2021年いっぱいですが)。

 

想像以上に話が長くなりましたが、

以前ため込んでいた1円玉と5円玉の中から特年を探してみました。

 

まずは5円玉からです。

f:id:company2424:20210819173953j:plain

1枚1枚丁寧に年号を確認していきます

およそ400枚の5円玉です(あまり多く無いですね)。

5円玉の特年は前述した昭和32年と昭和64年、平成12年、平成18年~21年。

この辺りが特年と言われている硬貨になります。

 

果たして特年は存在するのでしょうか。

結果は、

 

 

 

0枚でした。

画像の5円玉全て並年。

ちなみにフデ五(昭和24年~昭和33年の5円玉 現行品と比較して国が國だったり、書体が楷書体などの違いがあります)もゼロでした。

このくらいの枚数ならこんなもんです。

 

続いて本命の1円玉です。

f:id:company2424:20210819173939j:plain

1枚1枚丁寧に年号を確認していきます()

およそ1,800枚の1円玉です。

こんなに溜め込んでごめんなさい。

責任をもって特年を探します。

 

1円玉の特年は、昭和64年、平成12年~14年、平成22年辺りです。

これだけあれば流石にあるだろうという事で結果は、

 

 

 

 

 

6枚ありました!

f:id:company2424:20210819174013j:plain

平成12年「昭和64年が見つかったようだな…」平成22年「フフフ…奴は特年の中でも最弱…」

ですが、全て昭和64年でした。

昭和64年の1円玉は特年の中では比較的多く、その価値もそこまで高くありません。

ヤフオクでの落札価格は平均10円くらいです。

とは言え、それでも額面の10倍!(物は言いようです)。

 

今回見たのが約1,800枚で内特年が6枚なので

特年に遭遇する確率は約0.3%

1円のお釣りを貰った時、300回に1回くらいは特年に遭遇するかも知れません。

色んな硬貨で毎日見てれば、年に2~3回くらいは出会えるかも?

 

ちなみに、約0.3%というとミドルスペックのパチンコが1回で当たる確率や

8頭立ての競馬で適当に3連単を買って当たるくらいの確率です。

 

 

そして、並年の硬貨を全てゆうちょ銀行へもっていって入金して来ました(ゆうちょ銀行の方、ありがとうございました)。

結果が

f:id:company2424:20210819174132p:plain

まさに塵積って山となる

3,809円!

これだけあれば、ちゃんとした鰻屋さんのうな重や焼肉食べ放題や

JRAで3場開催時に全レース(100円で)購入など色々出来る金額です。

 

仮に2022年1月17日以降に入金してたら、恐らく手数料で2,750円ほど取られます。

恐ろしいですね……

なので、自分の様に硬貨を溜め込んでいる方は(特年を探してから)今年中にゆうちょ銀行へ持っていきましょう。

 

 

最後に、大特年について軽く解説します。

硬貨には特年のさらに上を行く大特年というものが存在します。

正確な定義は知りませんが、発行枚数が極端に少ない年の事を指します。

私の中では、発行枚数が極端に少ない=プルーフ貨幣しか発行していない年と捉えています。

プルーフ貨幣とは、

流通を目的とせずコイン収集家向けに特殊加工を施してケースに入れて販売している観賞用のコインです。

 

なので、プルーフ貨幣をお釣りとして受け取る可能性は限りなく0に近いです。

プルーフ貨幣が通貨として流通する事なんて、家族のコレクションを勝手に使ってしまったか、今日生きる事もままならない人が泣く泣く使用するくらいしか考えられません。

 

よく、まとめサイト等で「1円が3,000円に!? あなたのお財布にもお宝が!」みたいな煽り文句を見かけますが、これはプルーフ貨幣しか発行していない大特年を指している事が多いので、あまり真に受けてはいけません。

 

財布から見つかる可能性のある激レア硬貨は「昭和61年10円(後期)」くらいです。

 

とは言え、私も人生で1度だけお釣りでプルーフ貨幣を手にした事がある(並年の5円でした)ので、100%あり得ないとは言い切れませんが、大特年をお釣りでもらうくらいなら3000倍の馬券を当てる方がまだ簡単だと思います(どっちも経験無いので、わかりませんが)。

 

一攫千金では無く、ささやかな幸せを探すくらいのつもりで、お財布の中から特年を探してみて下さい。

見つかれば、きっと多少なりとも幸せな気分になれると思うので。

 

今回は以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。